公益財団法人予防医学事業中央会は、戦後の混乱期に始まった寄生虫撲滅のための“草の根運動に根ざしており、当時は財団法人日本寄生虫予防会を設立して寄生虫の検査と生活環境の改善、衛生思想の普及を柱にして全国活動を展開して国内の寄生虫感染症をほぼ撲滅させた歴史があります。
この時の活動の理念をもとにして健診と健康教育を柱にした予防医学活動を行う団体として1966年に設立されたのが財団法人予防医学事業中央会です。国民の健康意識が高まる中で、がんを含めた成人病(生活習慣病)が国民の健康対策を進める上で大きな課題になっておりました。こうした課題に取り組むために、全国の31支部と連携をして活動を展開してきたところですが、公益法人制度改革があり、2013年に新しい公益財団法人として内閣府の認定を受けて再発足しております。
本会の活動は、行政の支援と、学会、医師会の学識経験者による協力のもとにすすめられております。活動にあたっては、全国支部と連携をしながら健診検査、調査研究、健康教育を3本の柱として、これをベースにして21世紀の予防医学活動を推進するための各種の活動を行っています。
一方、厚生労働省では、2013年度から国民の健康づくり運動として推進している「健康日本21(第二次)」の評価を終えて、令和6年度(2024)から17年度(2035)までの12年間を計画期間とする「健康日本21(第三次)」を示して、人生100年時代を迎え多様化する社会に適応した健康づくりを目指しています。前期目標の「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」を継続しながら、より実効性を高めるために「誰一人取り残さない健康づくり」と「より実効性をもつ取り組みの推進」に重点を置いています。
この活動と連動して、健診検査の分野でも、「第4期特定健診・保健指導」の開始、第4期がん対策推進基本計画(令和5年度開始)や子宮頸がん検診へのHPV検査単独法の導入に伴う「がん検診実施のための指針の見直し」、労働安全衛生法に基づく「健康診断検査項目の見直し」など様々な活動が展開されています。
こうした中で、公益財団法人予防医学事業中央会は、全国の支部と連携をしながら精度の高い健診と良質のサービスを提供しながら、国民の健康の保持増進と健康開発を図るために一層の努力を重ねてまいります。
今後の予防医学事業推進のために、関係各位のご理解とご協力ご支援を賜りますようにお願いを申し上げます。